[ワシントン 16日 ロイター] – 米空軍のバンヘルク大将は16日、北朝鮮が「近い将来」に改良した大陸間弾道ミサイル(ICBM)の飛行試験を開始する可能性があるという見方を示した。
北朝鮮が昨年10月の軍事パレードで過去最大規模となるICBMを公開したことを受けたものとみられ、ミサイル発射が差し迫っているという具体的な情報ではない。
米国のブリンケン国務長官とオースティン国防長官は17日に韓国を訪問するが、この発言は北朝鮮が約3年ぶりにミサイル・核実験を再開するのではという米国の懸念を示している。
バンヘルク大将は上院軍事委員会で、「より大型で、高性能とみられる」北朝鮮のICBMが米国への脅威をさらに高めていると指摘。一方で、米国のミサイル防衛に自信を持っていると強調した。
米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」のジェニー・タウン氏は、ICBM実験はあり得るが、「どの程度の可能性かは分からない」と指摘。一方で、短距離ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイルの発射実験を再開する可能性はより高いと述べた。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長が、韓国で米韓合同軍事演習が行われていることを批判したとの報道が伝わる中、ホワイトハウスのサキ報道官は、米国の北朝鮮政策は「外交と北朝鮮の非核化が柱」と強調した。
サキ報道官は15日、バイデン政権が「状況が深刻化するリスク低減を目指し」、北朝鮮に接触しようと試みたものの、これまでのところ応答はないと明らかにしていた。