[ニューヨーク 19日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し上昇した。連邦準備理事会(FRB)が昨年、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い大手行を対象に導入した緩和措置を延長しないと決定したことを受け、米国債利回りが一時的に上向いたことを反映した。
FRBは、大手行を対象にした自己資本規制である補完的レバレッジ比率(SLR)に関する緩和措置を延長せず、期限の3月末で終了すると発表。延長されなかったことで、大手行が規制順守のために米国債の売却を迫られ、長期金利にさらなる上昇圧力がかかる恐れがある。
INGはFRBの決定について、またもや「米国債利回りの上昇を通したドル支援要因となった」とした。
米10年債利回りはFRBの発表を受け上昇。ただ午後の取引では1.726%に戻した。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.1%高の91.906。週初からは0.6%上昇。週足では過去4週間のうち3週で上昇した。
バノックバーン・グローバル・フォレックス(ニューヨーク)のチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は「きょうはドルがやや上昇した。ただ、このところのレンジから出たわけではない」と指摘。「基調的なマクロ的な力学がなお働いている。米国の金融・財政政策の積極性に誰も追いついていない」と述べた。
ユーロ0.1%安の1.1908ドル。欧州の新型コロナウイルス感染再拡大が重しになっている。
円は対ドルで108.89円と、おおむね横ばい。日銀は長期金利の変動幅を「プラスマイナス0.25%程度」と声明に明記。これまで長期金利の変動幅について、おおむねプラスマイナス0.1%から上下に倍程度は変動し得るとしていた。これについて黒田総裁は「これまでやや幅をもって表現していたものを明確化した」とし、「長期金利の変動幅を拡大する考えは持っていない」と述べた。
円は対ドルで週初から0.4%上昇。1週間の上昇としては2月半ば以来の大きさとなった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは2%高の5万8804ドル。前日は一時6万ドル台に乗せた。
ドル/円
NY終値 108.87/108.90
始値 108.85
高値 109.04
安値 108.75
ユーロ/ドル
NY終値 1.1903/1.1905
始値 1.1897
高値 1.1912
安値 1.1875