アメリカのバイデン政権と中国の習近平指導部の外交トップによる初めての対面での会談は2日間にわたった協議を終えました。アメリカ側は、人権などの問題をめぐり中国に懸念を伝えたとしたうえで「率直に意見を交わした」として、今後、会談の結果を踏まえて対中国の政策を検討するとしています。

アメリカのバイデン政権と中国の習近平指導部の外交トップによる初めての対面での会談は、日本時間の20日未明、アラスカ州アンカレジで2日目の協議が行われ、アメリカ側はブリンケン国務長官とサリバン大統領補佐官が、中国側は外交を統括する楊潔※チ政治局委員と王毅外相が出席しました。

初日の会談では冒頭、人権や安全保障などをめぐり、双方が真っ向から対立しましたが、協議はその後も予定どおり行われ、さきほどすべての協議を終えました。

会談のあと、ブリンケン長官は記者団に対し「新疆ウイグル自治区や香港、チベット、台湾、サイバーなどを巡り意見の相違があることはわかっており、中国側からは予想どおり反論があった」と述べました。

一方で「幅広い分野で率直な意見を交わすことができた。イランや北朝鮮、アフガニスタン、気候変動では利害が交わる部分もあった」と述べました。

またサリバン大統領補佐官は「これからワシントンに戻って、政策を検討し、今後の進め方について同盟国や友好国と協議を続けていく」と述べ、会談の結果を踏まえて、対中国の政策を検討するとしています。

一方、中国国営の新華社通信の英語版は楊政治局委員が会談終了後「双方にはまだいくつかの重要な相違点があるが、会談は率直かつ建設的で有益だった」と述べたと伝えました。

※チは竹冠に雁垂その中に虎。