製薬大手の第一三共と、熊本市の製薬会社KMバイオロジクスの2社は、それぞれ、開発中の新型コロナウイルスのワクチンを人に接種し、安全性などを確かめる臨床試験を始めたと発表しました。国産のワクチンで臨床試験を行うのは、これで4社になりました。
第一三共の発表によりますと、臨床試験は国内の健康な成人や高齢者合わせて152人を対象に、22日から接種を始め、安全性や抗体ができるかなどを確認するほか、国内で推奨される用量を検討するということです。
第一三共などが開発しているワクチンは、国内ですでに接種が始まっているファイザー製と同じウイルスの遺伝情報を伝える「mRNA」を使った仕組みです。
一方、KMバイオロジクスの臨床試験は、健康な成人や高齢者合わせて210人が対象で、同じく、22日から接種を始め、安全性や抗体ができるかなどを確認するということです。
KMバイオロジクスなどが開発しているのは、ウイルスを加工して毒性をなくした「不活化」ワクチンで、季節性インフルエンザなどのワクチンと同じタイプです。
厚生労働省によりますと、国産のワクチンで臨床試験を行うのは、先行する塩野義製薬とアンジェスの2社に加え、これで4社となりました。