トルコの株式や債券から外国人投資家が撤退を進める中で、トルコ・リラの市場に巨大なボトルネックが生じている。
トルコ資産を売り、リラを受け取った海外ファンド勢は、為替ヘッジの解消にも急ごうとする。それがリラの翌日物借入金利を極端な水準にまで押し上げ、ブルームバーグがまとめたデータによると、23日は一時1400%に達した。
MUFGバンク(トルコ)のオヌル・イルゲン氏(イスタンブール在勤)は、「全員が同時に撤退しようとしているため、リラ金利が急騰している」と指摘した。
銀行がスワップを通じて外国人投資家に貸し出せる額をトルコ政府が厳しく制限していることも、資金逼迫(ひっぱく)の理由だ。この規則は、危機のさなかにリラをショートする投資家のコストを法外な水準に押し上げる目的で2018年の通貨危機後に導入されたが、ヘッジをかけたリラ建てポジションを持つ投資家のトレーディングを難しくもしている。
ヘッジ解消によるリラ需要の一部は、為替のスポット市場に表れている。23日のリラは1%安の1ドル=7.8808リラにとどまり、8%下落した前日から安定の兆しが見られた。
だが、アナリストの多くはリラ売りが終わったとはみていない。ルネッサンス・キャピタルは年末までにリラがさらに12%下落すると予測、コメルツ銀行は1ドル=10リラに達すると見込む。
原題:Lira Plunge Squeezes Traders With Swap Rates Surging to 1,400%(抜粋)