[ワシントン 25日 ロイター] – 米労働省が25日に発表した3月20日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は68万4000件と、昨年3月中旬以来約1年ぶりの水準に改善した。前週は78万1000件で、予想以上に減少した。
経済活動は2月の天候要因による阻害から回復しつつあるが、その一方で何らかの失業給付を受けている人は3月上旬時点でなお1900万人近くに上っており、新型コロナウイルス感染拡大の影響から労働市場が完全に回復するには何年もかかるとみられている。市場予想は73万件だった。
インディード・ハイヤリング・ラボのエコノミスト、アネリザベス・コンケル氏は「過去1年間で状況が改善されたとはいえ、まだ何百万人もの人々が経済的な痛みに苦しんでいる」と指摘。「ワクチンの予防接種が広がることで終わりの始まりが起こると期待している」と述べた。
州別ではオハイオ州やカリフォルニア州、イリノイ州の減少が目立った。
申請件数は景気支援策の一環である失業保険手当の上乗せによって今後も高止まりする可能性がある。新型コロナ危機が始まった昨年3月に686万7000件まで膨らんだ申請件数は、その後改善しているものの、依然として07─09年の世界金融危機のピークである66万5000件を超える。健全な労働市場では通常20万─25万件にとどまるとされる。雇用も新型コロナ前のピークをなお950万人下回る。
初回給付以降も継続して失業保険を受け取った人は13日までの1週間で26万4000人減少し387万人。26週の給付期間を終了した人が増えたとみられる。自営業者や単発の仕事を請け負う「ギグワーカー」などに適用されるパンデミック失業支援(PUA)と失業保険の受給期間を最長13週延長するパンデミック緊急失業補償(PEUC)の受給者は合計で1300万人を超えた。