米アルケゴス・キャピタル・マネジメントの大規模な株式ポジション解消を巡り、大手金融機関の関与が取り沙汰され、この日の米株式市場は波乱の展開が予想されていました。金融株こそ売られましたが、S&P500種株価指数はほぼ変わらずで終了。ひとまず、市場全体を揺るがすようなパニックは回避されました。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
多額の損害も
野村ホールディングスとクレディ・スイス・グループはアルケゴスの大規模な株式ポジション巻き戻しで「多額の損害」を被る可能性がある。アルケゴス関連の200億ドル(約2兆2000億円)を上回る規模のポジションが強制的に解消されたことで、百度(バイドゥ)やバイアコムCBSなどの株価が大きく変動したほか、ウォール街の大手金融機関が容易にしている不透明なレバレッジ取引の世界に視線が集まった。
通行再開
エジプトのスエズ運河で座礁し航路をふさいでいた巨大コンテナ船「エバーギブン」がようやく完全に離礁し、運河の岸を離れた。海上交通の要衝である同運河で、船舶の通航が再開され始めた。スエズ運河庁は、エバーギブンの船体が完全に水に浮かんだと声明で発表した。23日に座礁して以来動けなくなっていた同船舶を、複数のタグボートで水路の岸から離すことに成功した。
経営陣刷新
ドイツ銀行のクリスティアン・ゼービング最高経営責任者(CEO)は、2年前に事業再建計画に着手して以降で最大規模の経営陣刷新を断行した。同氏が兼務していた投資銀行およびコーポレートバンキング部門の責任者にファブリツィオ・カンペリ最高変革責任者(CTO)が指名された。ゼービング氏はCEOとしての契約を更新。今後は収入の拡大に焦点を当てていく。新たな契約期間は2026年4月まで。
接種拡大
ニューヨーク州のクオモ知事は新型コロナウイルスのワクチン接種の対象年齢を30日から30歳以上に引き下げると発表。翌週には16歳以上にするという。バイデン大統領は米国成人の90%が4月19日までにワクチン対象になると発表した。
高い予防効果
米ファイザー、モデルナがそれぞれ開発した新型コロナウイルスのワクチンは、発症だけでなく感染自体を高い割合で防ぐことが米疾病対策センター(CDC)のデータで明らかになった。いずれかのワクチンを2回接種した後では感染を90%抑制する効果があった。これ以前の臨床試験では、両ワクチンが発症や重症化、死亡を防ぐ効果を持つことが実証されている。
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