衆議院の解散・総選挙をめぐって自民党の二階幹事長は、野党側が内閣不信任決議案を提出すれば、菅総理大臣に解散を進言する考えを示しました。

自民党内では、新型コロナウイルスの感染が収束しないなかでの早期解散に慎重な声が根強い一方、東京オリンピック前の解散・総選挙も二階氏の念頭にあるのではないかという見方も出ています。

衆議院議員の任期が10月に迫るなか、解散・総選挙をめぐって菅総理大臣は先週「いつあってもおかしくないとは思っていない」と述べ、早期の解散に慎重な姿勢を示しました。

自民党の二階幹事長は29日、野党側が今の国会で内閣不信任決議案を提出すれば解散の大義になりえるとして、菅総理大臣に解散に打って出るよう進言する考えを示しました。

立憲民主党の福山幹事長は「野党が決議案を出す、出さないに関係なく、この新型コロナや経済の状況で解散できるなら、いつでも受けて立つ」と述べました。

自民党内では「二階氏の発言は、野党へのけん制で、政府・与党は当面、感染収束に向けて専念すべきだ」として、早期解散に慎重な声が根強くあります。

一方で、秋までの政治日程が限られていることから、7月の東京都議会議員選挙にあわせるなど、東京オリンピック前の解散・総選挙も二階氏の念頭にあるのではないかという見方も出ています。

ただ、公明党は都議会議員選挙にあわせた総選挙には否定的で、菅総理大臣としては感染状況や内閣支持率の動向などを見極めながらタイミングを探るものとみられます。