今月5日から来月5日までの31日間、宮城県、大阪府、兵庫県で適用されることになった「まん延防止等重点措置」。具体的にどのような対策が取られることになるのか整理しました。
法律に基づいて「重点措置」が適用されるのは今回が初めてで、対策が講じられる地域については
▽大阪府は大阪市
▽兵庫県は神戸市、西宮市、尼崎市、芦屋市、
▽宮城県は仙台市とする方向で調整が行われています。
次に対策についてです。
「まん延防止等重点措置」の適用にあわせて、政府は、新型コロナウイルス対策の基本的対処方針を変更し、感染拡大の主な起点となっている飲食の場面での対策を徹底するよう求めるとしています。
具体的には、対象地域では、飲食店に対して営業時間を午後8時までに短縮し、お酒の提供は午前11時から午後7時までとするよう要請するほか、対象地域以外でも知事の判断で営業時間の短縮要請を行うとしています。
また、昼カラオケでクラスターが多発していることを受けて、カラオケ設備の利用自粛のほか、感染防止対策を行わない人の入場禁止などを、知事の判断で飲食店に要請し、感染対策が徹底されていない飲食店の利用自粛を住民に呼びかけることを検討するよう求めています。
さらに、感染の有無を調べる検査は高齢者施設の従業員などに頻繁に実施し、歓楽街などで陽性者が出た場合には重点的に行うよう求めていて、医療提供体制をめぐっても、患者をすぐに受け入れられる病床などを計画上の最大数まで確保するなどとしています。
吉村知事「大阪市での聖火リレー中止すべき」
大阪府の吉村知事は、政府が新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」を来週5日から1か月間、大阪府などに適用する方針を固めたことを受け、大阪市での聖火リレーは中止すべきだという考えを示しました。
新型コロナウイルスの感染再拡大を受けて、政府は1日、緊急事態宣言が出されていなくても、集中的な対策を可能にする「まん延防止等重点措置」を大阪府などに適用することを決定する方針です。
これについて大阪府の吉村知事は記者団に対し、重点措置が適用された場合は感染が急拡大している大阪市を対象地域としたうえで、市民に対し不要不急の外出の自粛を要請する考えを示しました。
そのうえで、今月14日に大阪市で予定されている聖火リレーへの対応について「不要不急の外出自粛要請は重点措置の期間に集中的に取り組むべきで、大阪市内における聖火リレーは中止すべきだと思う。これから大阪市や大会の組織委員会とも協議に入りたい」と述べ、大阪市での聖火リレーは中止すべきだという考えを示しました。
大阪市 松井市長「府と共同で飲食店の見回り実施」
「まん延防止等重点措置」について、大阪府は、感染が急拡大している大阪市を対象地域としたうえで、市内の飲食店などに対し、営業時間を夜8時までに短縮するよう要請する方針のほか、会食の際のマスク着用の義務化などの措置を検討しています。
これについて、松井市長は記者会見で「重点措置が適用されれば、知事の権限による義務も生じてくるので、府市一体で飲食店の見回り部隊を作りたい。オンラインなど、さまざまなツールも使っていく」と述べ、市内の飲食店が適切な感染対策をとっているかを確認するため、大阪府と共同で見回りを実施する考えを示しました。
そのうえで、松井市長は「適切な対策を講じているかチェックするとともに、飲食店によっては間違った対策を行っているところもあると思うので、正しい対応を伝えることも兼ねたい」と述べ、店側に適切な対策を指導していきたいという考えを示しました。
兵庫 井戸知事「協力金上限 1日20万円で調整」
「まん延防止等重点措置」の対象地域となる飲食店などが営業時間の短縮要請に応じた場合に支払われる協力金について、政府は規模に応じた仕組みを検討する方針を示しています。
これについて兵庫県の井戸知事は記者会見で、国から、協力金の詳細について連絡があったとしたうえで、1日4万円から事業所の規模に応じて上積みし、上限は大企業で20万円、中小企業で10万円とすることで調整していることを明らかにしました。
そのうえで、井戸知事は「今までの対策では、協力金の財源は8割が国、2割が地方で、地方分も臨時交付金などで措置されていた。従来と同じ措置をとるよう要請したい」と述べて、国に財政支援を求める考えを示しました。
宮城 村井知事「財政的な手当て お願いした」
「まん延防止等重点措置」の宮城県への適用について、村井知事は1日午前、記者団に対し「県から要請はしていないが、昨夜、西村大臣と話をした中で大阪よりも宮城はまん延している状況なので、大阪が適用の対象になるのであれば、宮城も議論に上げてほしいと伝えた。適用となれば、店舗によっては負担が大きくなるので、財政的な手当てについては強くお願いした。国からの対処方針を受けて具体的な制度設計をしていきたい。対象地域については、仙台市以外でも感染者が増えているので、県独自の対応も考えていきたい」と述べました。
大阪、兵庫、宮城の感染者数の推移は…
2020年11月1日から4月1日までの、大阪府、兵庫県、宮城県の新型コロナウイルス感染者数の推移です。
大阪
大阪府は、1日、府内で新たに616人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。
1日当たりに感染が確認された人が600人以上となるのは、ことし1月16日以来で、過去4番目の多さとなりました。
また、3日連続で東京の感染者数を上回りました。これで、大阪府内で感染が確認された人は5万2817人となりました。
兵庫
兵庫県の井戸知事は1日、県内で199人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表しました。
県内で発表された感染者は、合わせて2万258人となりました。
宮城
宮城県と仙台市は、1日、新たに133人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。このうち仙台市では、68人の感染確認が発表されています。
また、市はこれまでの感染者のうち1人が、イギリスなどで報告されている変異したウイルスに感染していたことも明らかにしました。
宮城県内の感染者の累計はすでに回復した人なども含めて6171人となりました。