[ニューヨーク 5日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米株価が過去最高値を付ける中、ドル指数が約1カ月ぶりの安値を更新した。ただ、復活祭(イースター)の祝日で薄商いとなっていることで、相場の振れが拡大したとの見方も出ている。
ドルは年初から米国債利回りの上昇などを反映し、力強く上昇してきた。ただ、2日発表の3月の米雇用統計が力強かったにもかかわらず、この日の取引では軟調。UBS(ニューヨーク)の外為ストラテジスト、バシリ・セレブリアコフ氏は「雇用統計を受けても、この日の取引で上値を試しに行かなかったことを踏まえると、米経済に対する楽観的な見方の一部はすでに織り込まれた可能性がある」と述べた。
ただ「祝日で休場となっている市場もあるため、やや慎重になる必要がある」とした。
3月の雇用統計は非農業部門雇用者数が前月比91万6000人増と、市場予想の64万7000人増を上回った。雇用の伸びを主導したのはレジャー・接客業で、レストランやバーなどの飲食業が増加分の3分の2を占めた。
主要6通貨に対するドル指数は0.40%安の92.59。ユーロは対ドルで0.50%高の1.1811ドル。リスク選好度が強まった時に買われる傾向がある豪ドルは対米ドルで0.78%高。
この日発表の米経済指標では、米供給管理協会(ISM)発表の3月の非製造業総合指数(NMI)が63.7と、前月の55.3から上昇し、統計開始以来の高水準を記録した。
ウェルズ・ファーゴ(ニューヨーク)のマクロストラテジスト、エリック・ネルソン氏は「良好な米経済ニュースにドルがどのように反応するのか、判断が難しくなっている」と指摘。「ドルがもはや『安全通貨』ではなく、むしろ『リスク通貨』になり始めているとしたら、潮目の大きな転換となる」と述べた。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.16%高の5万8888ドル。データ追跡のブロックフォリオなどによると、仮想通貨市場の時価総額はこの日、過去最高水準の2兆ドルに達した。
ドル/円
NY午後4時 110.18/110.19
始値 110.56
高値 110.56
安値 109.97
ユーロ/ドル
NY午後4時 1.1811/1.1815
始値 1.1749
高値 1.1819
安値 1.1749