[ワシントン 7日 ロイター] – イエレン米財務長官は7日、バイデン米大統領のインフラ投資計画を賄うための法人税引き上げの詳細を説明した。課税逃れを阻止することで今後15年間で2兆5000億ドルの追加税収を目指す。
イエレン氏の法人税増税計画では、米国は国際的な最低税率を21%に設定するように主要経済国と交渉する。米国の大企業を念頭に、「計上された」利益に最低15%を課税する。多くの大手企業が連邦税をゼロに引き下げるために複雑な戦略を駆使している。
イエレン氏は、2017年の米税制改革が目指していた米国での企業投資拡大は具現化しなかったと指摘。それどころか税収は国内総生産(GDP)比で大幅に減り、引き続き利益の海外移転につながっていると述べた。「米国の税収は既に、この世代で最も低い水準にある。減り続ける中で、道路や橋、ブロードバンド、研究開発に投じる資金が減る」と語った。
財務省はまた、化石燃料業界への一連の税控除を止める。これにより向こう10年間で税収が350億ドル増えるという。電気自動車や省エネの家電製品などのクリーンエネルギーに対する優遇税制に替えると述べた。
17年の米税制改革で「米国外軽課税無形資産所得(GILTI)合算課税」の税率が10.5%となったが、財務省はこれを21%に引き上げる。国別に適用するという。
租税回避地で利益を上げることを阻止するための最低10%の課税も21%に引き上げる。
バイデン大統領はアマゾンなどの大手企業がここ数年、法人税を一銭も払っていないことを厳しく批判してきた。財務省は、株主に報告する会計上の収入を基に最低15%の税金を課し、大手企業が少しでも納税することを目指す。
こうした新税制では、財務省は米国の45社が平均で年間3億ドル納税していたこととなり、税収が135億ドル増えていたと試算した。