- 筆頭株主のエフィッシモは昨年の取締役選任を巡り再調査に着手
- メモリー事業売却や海外投資家引受先の6000億円増資を断行-綱川氏
東芝の綱川智会長が執行役に復帰したことが分かった。対立している筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントとの交渉役などを担うものとみられる。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。
関係者によると、指名委員会が7日に綱川氏を執行役に指名し同日の取締役会で決議した。綱川氏は2016年6月社長に就任し、米原発事業の失敗による債務超過から脱却するため、メモリー事業の売却や海外投資家を引受先とする6000億円の第三者割当増資を断行。20年4月以降は代表執行役を外れ、取締役会長に就いていた。
執行役で社長兼最高経営責任者(CEO)を務める車谷暢昭氏は、18年に会長兼CEOとなった後、綱川氏に代わり20年に社長に就任した。
エフィッシモは今年3月に開催した臨時株主総会で、昨年の定時総会での取締役選任を巡る再調査などを求める提案を提出。会社側は反対したが可決された。エフィッシモが選任した3人の弁護士は現在調査を進めており、東芝はその行方を注視している。
東芝の広報担当者はコメントを控えた。
東芝を巡っては、英投資会社のCVCキャピタル・パートナーズが買収して非公開化する提案をしたことが分かっている。CVCは1株当たり約5000円を提示しており、買収額は約2兆2800億円に上る。
関連記事 |
---|
・英CVCキャピタル、東芝買収で日本の投資家らと協議-関係者 ・東芝へのCVC買収提案、1株当たり5000円-株価は6年ぶり高値 (3) ・東芝社長、アクティビストの勝利で正念場に-株主が再調査を支持 |