[ワシントン 9日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は9日、今年予想される物価の上昇が来年になっても反転しない場合、FRBは政策運営においてその点を考慮する必要があるという考えを示した。

旺盛な需要や供給制約(ボトルネック)などを背景に、物価の伸びは今後数カ月間で目標の2%を上回る見込みだが、クラリダ氏はブルームバーグのインタビューで「そのほとんどが一過性となり、インフレ率は年内に2%前後に戻る」と予想。「どちらにも転ぶリスクはあるものの、インフレ率が物価の安定に沿った水準を超え始めた場合でも、われわれはそれに対応する手段を持ち合わせており、対処できる自信がある」と表明した。

同時に「年末のインフレ率が年央の水準から鈍化しなければ、現在のFRBの見通しは間違っていたことになる」とし、「年が明けて来年に入っても物価の伸びが一過性でない場合、その点を考慮せざるを得ない」と述べた。

FRB当局者らが予想する物価の伸びは、2021年が中央値で2.4%に上向く一方、22年は2.0%に落ち着くもようだ。

新型コロナウイルスの流行は「かなり異常な衝撃」とした上で、物価が上昇しても「労働市場は依然として穴が開いている状態だ」と指摘。月次の資産購入については、財務省が発行する種々の証券を反映をすることを目指しており、発行に変化が生じればFRBも必然的に対応するものの、特定の金利に影響を及ぼす「ツイスト・オペ」の実施を意図としているわけではないとした。