[12日 ロイター] – 米マイクロソフトは12日、人工知能(AI)や音声認識技術を手掛ける米ニュアンス・コミュニケーションズを現金約160億ドルで買収すると発表した。

両社は2019年に医療機関における文書作成などの事務作業自動化業務で提携。新型コロナウイルス感染拡大を受け遠隔医療が広まる中、マイクロソフトはヘルスケア部門のクラウド業務を強化する。マイクロソフトのナデラ最高経営責任者(CEO)は「AIは最優先すべき技術で、ヘルスケア部門は最も迅速にAIを実用化すべき部門」と述べた。

買収額は1株当たり56ドルと、ニュアンスの直近の終値に22.86%上乗せした水準。この日の中盤の取引でニュアンス株は前営業日終値比16.5%高の53.10ドル。一時は53.93ドルまで上昇した。

ニュアンスの本社はマサチューセッツ州バーリントン。米アップルの音声アシスタント機能「Siri(シリ)」で使われる技術を提供したことで知られる。20年度は15億ドルの売上高を計上した。

マイクロソフトによる買収額は純債務も含めると197億ドル。マイクロソフトの企業買収としては、16年の米リンクトイン(262億ドル)に次ぐ2番目の規模となる。