[北京 12日 ロイター] – 中国人民銀行(中央銀行)は12日、中国フィンテック企業アント・グループが金融持ち株会社に移行すると発表した。持ち株会社化で規制が強まり、利益率やバリュエーションが抑制されることになりそうだ。
中国当局は昨年11月にアントの370億ドルの新規株式公開(IPO)計画を阻止。2日前にはアント親会社の電子商取引最大手アリババ・グループが独占禁止法に違反したとして罰金27億5000万ドルを科している。
アントは個人の信用情報報告事業を設立し、主要な二つの融資事業を消費者金融会社にまとめる。
人民銀は「包括的で実現可能な再編計画」により、アントは電子決済サービス「支付宝(アリペイ)」と、短期消費者ローン「借唄(ジエベイ)」、クレジットサービス「花唄(ファーベイ)」の「不適切な」関係を断ち切ると述べた。アントに対し、情報の独占をやめ、信用情報事業の規制に厳格に従うよう求めた。
人民銀は、アントが企業統治の改善や「信用や保険、資産管理事業で違法な金融活動を是正する」ことに同意したと述べた。また、レバレッジと商品リスクを抑制するように要請したと語った。主力ファンドの商品の流動性リスクを抑え、マネー・マーケット・ファンドの「余額宝」の規模を縮小することも求めたという。
政府系の経済日報は中銀の対策について12日の意見欄で「プラットフォーム経済の金融規制の前例を作る」と指摘した。