[ニューヨーク 13日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドル指数が3週間ぶりの安値を付けた。3月の消費者物価指数が大きく上昇したものの、連邦準備理事会(FRB)の低金利維持に向けたコミットメントに変わりはないとみられている。
労働省が発表した3月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、総合指数が前月比0.6%上昇、前年同月比2.6%上昇。上昇率は前月比が2012年8月以来、前年比が18年8月以来最大となった。
ウエスタンユニオン・ビジネスソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「FRBが予見可能な将来は低金利政策を維持するという見通しを変えるものではなかった」とし、「インフレは上昇した後、再び低下に向かう。経済は今のところはFRBが描くシナリオに沿って展開している」と述べた。
消費者物価指数の発表を受けドルは一時上昇したものの、その後、下落に転じた。米国債利回りの低下も重しになり、主要6通貨に対するドル指数は91.85と、3月23日以来の低水準を付けた。
ドルは対円で0.30%安の109.10円。ユーロは対ドルで0.28%高の1.1945ドル。
英ポンドは対ドルでほぼ横ばい。イングランド銀行(英中央銀行)はこの日、チーフエコノミストのアンディ・ホールデン氏が6月の政策決定会合後に退任すると明らかにした。
リスク選好度を反映する傾向がある豪ドルとニュージーランドドルは対米ドルでともに上昇した。
ロシアルーブルは上げ幅を拡大。バイデン米大統領がロシアのプーチン大統領との電話会談で、向こう数カ月以内に第3国で会談することを提案した。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは6万3769ドルと、過去最高値を更新した。14日には暗号資産交換所最大手の米コインベース・グローバルが米ナスダック市場に上場する。
市場では15日に発表される3月の米小売統計が注目されている。