[ワシントン 13日 ロイター] – 米労働省が13日に発表した3月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、総合指数の前月比での上昇率が2012年8月以来の高水準となった。新型コロナウイルスワクチンの接種の進展と政府の大規模な財政支援策で経済活動の再開が進み、基調的なインフレが上向いていることが示された。供給網の阻害が続く中、需要が力強く回復していることも上昇に寄与した。
総合指数は0.6%上昇。2月の0.4%に続く伸びとなった。食品・エネルギーを除いたコア指数は0.3%上昇。2月は0.1%上昇していた。コア指数の前月比での上昇は7カ月ぶりの大きさ。家賃や自動車保険料の上昇のほか、より高価な家庭用品やリクリエーションの増加などで押し上げられた。ただ衣料品と教育の価格は下落した。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は、総合指数が0.5%上昇、コア指数が0.2%上昇だった。
前年同月比での上昇率は、総合指数が2.6%、コア指数が1.6%だった。総合指数の前年比での上昇率は18年8月以来最大。前年比での上昇は、新型コロナ感染拡大が始まった昨年3月の水準が低かったことをおおむね反映している。
3月はガソリンが前月比9.1%上昇。2月は6.4%上昇していた。食品は0.1%上昇。家庭用食品と家庭外食品も0.1%上昇した。
医療サービスは0.6%上昇。処方箋薬は横ばい。医療費全体では0.1%の伸びだった。中古車・トラックは0.5%上昇。新車は2カ月連続で変わらず。サービスは0.4%上昇。
JPモルガンは、連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注目するコア個人消費支出(PCE)価格指数の伸びについて、3月が前年比1.9%と予想。2月は1.4%だった。
ウェルズ・ファーゴ(Wファーゴ)のマクロストラテジスト、ザカリー・グリフィス氏は、内容は堅調だったとしながらも、インフレが近く過熱する兆候は示されていないとし、FRBが近い将来に金融政策へのアプローチを再検証することにはつながらないと指摘。ウエスタンユニオン・ビジネスソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏も、FRBは当面は低金利政策を維持する軌道から外れないとの見方を示した。