[ニューヨーク 14日 ロイター] – ニューヨーク外為市場ではドルが3週間ぶりの安値を付けた。米債利回りの上昇ペースに落ち着きが見られたことで、ドルへの投資妙味が薄まった。
終盤の取引で、ドル指数は0.11%安の91.68。一時、3月18日以来の安値となる91.57を付けた。
ユーロ/ドルは0.21%高の1.1971ドル。
ドルは対円でも0.13%安の108.92円。
アクション・エコノミクスのロナルド・シンプソン氏は「米債利回りが今週に入り比較的安定していることで、ドルは利食い売りにさらされている」と述べた。
BKアセット・マネジメントの為替戦略マネジングディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏は「インフレ懸念が再び米債市場を揺るがすまで、ドルロングのポジションは圧迫されるだろう」と述べた。
米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は14日、ワシントン経済クラブのインタビューで、利上げにコミットする前に量的緩和策の縮小に踏み出すとの見解を示した。
ダラス地区連銀のカプラン総裁は、米国で完全雇用が達成されるまでしばらく時間がかかるとの認識を示した。
また、FRBは地区連銀経済報告(ベージュブック)で、国内経済の回復ペースが2月下旬から4月にかけ、「緩やか(moderate)」に加速したとの認識を示した。
15日に発表される3月の米小売売上高統計が注目される。
ニュージーランドドルは3週間ぶり高値となる0.71220米ドル。NZ準備銀行(中央銀行)は、政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を予想通り0.25%に据え置いた。
英ポンド/ドルも1週間ぶり高値を付けた。英国で新型コロナウイルスワクチンの接種が順調に進んでいることが材料視された。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは一時、最高値となる6万4895ドルを付けたものの、その後は1.77%安の6万2423ドル。暗号資産交換所最大手の米コインベース・グローバルが米ナスダック市場に上場したことに反応した。