[ニューヨーク 16日 ロイター] – 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが4週間ぶり安値に下落した。前日の米国債利回り低下の影響が続いたほか、米連邦準備理事会(FRB)が緩和姿勢を継続するという見方が市場で強まった。

15日の米金融・債券市場では、米小売売上高と新規失業保険申請件数が力強い内容になったものの、10年債利回りは一時1カ月ぶり水準の1.528%まで低下。この日は1.5675%に上昇した。

シリコンバレー・バンクのシニア為替トレーダー、ミン・トラン氏は「ちょっとした軌道修正だ」とし、ドル下落の主な理由として、3月の急伸を受けた利益確定の動きや、このところの米債利回り低下を挙げた。また、株式などのリスク資産需要でドルの安全資産需要が低下しているとも述べた。

みずほのシニアエコノミスト、コリン・アッシャー氏は「10年債は来四半期に向けて現水準から大きく動かないだろう。それが今四半期の大部分でドル安が続くという最近の動きの背景になっている」と述べた。

ドル指数は0.111%下落し、3月18日以来の安値。今週は0.7%値下がりし、2週連続で下落した。

米財務省は16日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書を公表し、スイスとベトナムに加え台湾について、為替相場を操作している可能性がある基準を満たしたとしたものの、「為替操作国」に指定する十分な証拠は得られなかったとした。

カナダドルは対米ドルで0.3%高、週足でも上昇。原油価格の上昇やドル安で、国内卸売指標の予想を超える落ち込みによる影響が薄れた。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは6万1648.71ドル付近で、14日に付けた最高値の6万4895ドルを下回っている。