【ソウル時事】米朝対話の早期再開と南北関係改善を目指す韓国は、日米首脳が北朝鮮問題で強いトーンを打ち出したことに神経をとがらせているとみられる。5月後半の米韓首脳会談に向け、日米では陰に隠れた「対話」を韓国は働き掛けていく見通しだ。

対北朝鮮、暫定合意路線に脚光 政策見直し最終局面―米政権

 菅義偉首相は、北朝鮮の核・ミサイルの「CVID(完全、検証可能かつ不可逆的な廃棄)」を目指すと強調。共同声明には「国連安保理決議の完全な履行」が明記された。米韓首脳会談を「韓(朝鮮)半島の非核化、恒久的な平和定着のモメンタム(勢い)をつくる機会」(大統領府関係者)と位置付ける韓国とは温度差がある。

 日米首脳会談の内容に北朝鮮が反発する可能性がある上、米韓首脳会談は約1カ月後。検討の最終段階にあるバイデン政権の対北朝鮮政策に「韓国の意思を反映させるには(日本より)不利」(韓国紙・ハンギョレ)と不安視する声もある。