英プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドやスペインの名門、レアル・マドリードなど世界で最も裕福なサッカークラブのグループが19日、欧州で新たなリーグを創設する計画を明らかにした。スポーツ界においてこの数十年で最大の再編の先駆けとなる可能性があり、エリートチームが一層裕福になるとみられる。

  新しいリーグの名称は「スーパーリーグ」で、これまでに参加を表明したのはイングランドの6クラブと、イタリアとスペインのそれぞれ3クラブの計12。これらクラブの発表資料によると、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催する欧州チャンピオンズリーグ(CL)に代わるリーグとして週の半ばに試合を行う。

  欧州で新たなエリートリーグを創設することは、数十年続いてきたCLの支配を事実上終わらせる可能性がある。参加を表明した12のクラブに3つのクラブが加わり、常任チームとなる。この他に毎年5チームが加わるという。常任の15チームは前払い金として35億ユーロ(約4550億円)をシェアする。

参加を表明した12チーム:
英プレミアリーグ:アーセナル、チェルシー、リバプール、マンチェスター・シティー、マンチェスター・ユナイテッド、トッテナム
スペインのラ・リーガ:アトレチコ・マドリード、バルセロナ、レアル・マドリード
イタリアのセリエA:ACミラン、インテルナツィオナーレ、ユベントス

  レアル・マドリードのフロレンティーノ・ペレス会長がスーパーリーグのチェアマンに就任する。同会長は発表資料で「サッカーは世界で40億人余りのファンを有する唯一のグローバルスポーツだ。ビッグクラブとしての責任は彼らの熱意に応えることだ」とコメントした。

Florentino Perez, president of ACS (Actividades de Construccion y Servicios SA), gestures during a press conference in Madrid, Spain, on Thursday, March 15, 2018. Photographer: Angel Navarrete/Bloomberg

  新しいプロジェクトでは、どのクラブも国内リーグには残るが、CLからは撤退する。

  スーパーリーグ創設には以前からイングランドやスペイン、イタリアの各リーグやUEFAなどから反対の声が出ていた。国際サッカー連盟(FIFA)は先週、新リーグに参加するプレーヤーを追放する考えを示しており、来年カタールで開催されるワールドカップに混乱を来す恐れもある。

  新リーグ創設には政界からも反応があり、ジョンソン英首相やイタリアのレッタ元首相が懸念を表明。フランスのマクロン大統領はこれまでに同国のクラブが参加の意思を示していないことを称賛した。  

The @ChelseaSTrust has released the following statement regarding a #EuropeanSuperLeague #EnoughIsEnoughpic.twitter.com/sbxp2QBkgD— Chelsea Supporters’ Trust (@ChelseaSTrust) April 18, 2021

原題:European Soccer Group Proposes Radical Breakaway League (3)(抜粋)