ニュースを読んでいると時々、意味がわからず、どう反応していいか戸惑うことがある。ブルームバーグ(BB)が配信したこの記事もその一つ。「JPモルガン、欧州『スーパーリーグ』に40億ユーロの資金を提供へ」。配信時間を見ると本日の0時30分だ。「欧州で計画されている新たなサッカーリーグ『スーパーリーグ』創設に向け、米JPモルガン・チェースは総額40億ユーロ(約5200億円)の資金を提供する。この新リーグ創設を巡っては、既にサッカーファンや各国の国内リーグ、政治家などから強い批判の声が上がっている」とある。欧州の有力クラブの間にCL(チャンピョンズ・リーグ)に変わる新しいリーグ創設の動きがあることを知らない者にとっては、ニュースそのものに唐突感がある。どういうことだろう、関連記事を読んでみた。

同じBBに今朝の4時6分に配信された記事があった。「『スーパーリーグ』計画阻止へ、UEFAが英投資会社と資金調達協議」とある。UEFAは欧州サッカー連盟のこと。CLの主催者だ。ここが新リーグ計画の阻止に動いているというのだ。BBは前日「サッカー、欧州『スーパーリーグ』創設へ-名門12クラブが表明」という記事を配信している。昨日のニュースを見落としていたため、この記事を読んでようやく全体像が少しわかってきた。「英プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッドやスペインの名門、レアル・マドリードなど世界で最も裕福なサッカークラブのグループが19日、欧州で新たなリーグを創設する計画を明らかにした」のだ。これはサッカーファンのみならず世界中に衝撃を与えるニュースだ。この先欧州サッカーはどうなるのだろう。テレビ桟敷ファンにすぎないが、にわかに興味が湧いてきた。

反応もすでに出ているようだ。国際サッカー連盟(FIFA)は先週、新リーグに参加するプレーヤーを追放する考えを示しており、来年カタールで開催されるワールドカップに混乱を及ぼす恐れもあるとBBは伝えている。さらに政界からも新リーグに反対する声が。「ジョンソン英首相やイタリアのレッタ元首相が懸念を表明。フランスのマクロン大統領はこれまでに同国のクラブが参加の意思を示していないことを称賛した」(BB)とある。計画を推進しているのはスペインのバルセロナ、レアル・マドリード、英国のアーセナル、チェルシー、イタリアのACミラン、ユベントスといった超裕福なエリートクラブ。これをモルガンが金融面から全面的に支援する。貧困家庭に育った少年が、ボール一つで世界のスーパースターに駆け上がる。これがサッカードリームだろう。この計画はそんな夢をぶち壊す、直感的にはそんな気がした。