[ニューヨーク 20日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米国債利回りが狭い範囲内の動きにとどまり、資源国通貨が原油安で売られる中、ドル指数がやや上昇した。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.2%高の91.204。アジア取引時間帯では約7週間ぶりの低水準を付けていた。

ユーロは対ドルで横ばいの1.2033ドル。一時は新型コロナウイルスワクチン追加確保のニュースを受け、約0.4%上昇していた。英ポンドは対ドルで0.4%安の1.3937ドル。

ドルは対円で108.09円に上昇。一時は3月5日以来初めて108円を割り込んでいた。

ドル相場は今月に入ってから米国債利回りの低下に歩調を合わせ、下落。アナリストは、米連邦準備理事会(FRB)の金融引き締めは市場の予想より緩慢になるとの見方が強まったことが背景にあると指摘している。

TDセキュリテキーズのシニア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は、FRBと欧州中央銀行(ECB)がともに金融政策の調整を急がない中、外国為替市場と債券市場は向こう数週間は比較的安定して推移すると予想。「月内はレンジ内の取引からの脱却を促すような動意は出ないだろう」と述べた。

ユーロに対しては、欧州連合(EU)がファイザー製ワクチンを追加的に確保したと伝わったことが一部支援要因となった。TDセキュリテキーズのイッサ氏は、ワクチン追加確保のニュースで、欧州がコロナ禍からの回復で米国に追いつく可能性が示唆されたと指摘。「外為市場では、米国だけが例外との考えが薄れ始めている」と述べた。

原油安を受け、カナダドルやメキシコペソなどの資源国通貨が下落。ノルウェークローネは対ドルで2018年以来の高値を付けていたが、失速した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1%高の5万6211ドル。

ドル/円 
 NY終値 108.08/108.11
   始値 108.39
   高値 108.50
   安値 108.03

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.2033/1.2037
   始値 1.2048
   高値 1.2059
   安値 1.2023