- 約3割がポートフォリオのリスクを増やす計画だと回答
- プライベートエクイティー、最も高いトータルリターンを期待
合計13兆ドル(約1400兆円)を超える資産を運用する世界の保険会社幹部らは、世界経済が回復する中で一段のリスクテークを計画していることが、ゴールドマン・サックス・グループの年次調査で明らかになった。
21日公表された調査結果によると、対象となった最高投資責任者(CIO)と最高財務責任者(CFO)286人のうち、34%がポートフォリオのリスクを増やす計画だと回答。減らす計画だと答えたのは8%にとどまった。その差は26ポイントで、過去平均の15ポイントを大きく上回る。
ゴールドマンで保険資産運用の世界責任者を務めるマイク・シーゲル氏は、「今回の調査はリスクオンの方向に著しく転換した」と20日に記者団との電話会議で指摘。リスク選好を示す同様の結果は、グレートリセッション後の2012-13年を最後になかった。
投資家はリターンを追求し続けており、リスクテーク意欲は業界やリスクのタイプを問わず広がっていると、同氏は説明した。
「世界的に金利が歴史的な低水準にとどまる中、投資家はプライベートエクイティー(PE)やミドルマーケットのコーポレートローン、インフラ債、ローン担保証券(CLO)、新興国市場の債券といったリターンを高める資産を引き続き優先している」とゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントはリポートに記した。
調査では、回答者の37%がさらなる投資ターゲットとなる資産クラスとしてプライベートエクイティーを挙げた。55%はプライベートエクイティーについて、今後1年間に最も高いトータルリターンを上げると予想される3つの資産クラスに含めた。新興国の株式や米国株も、高いパフォーマンスが見込まれる資産のリストに選ばれた。
原題:Goldman Survey Finds Insurers With $13 Trillion Ready for Risk(抜粋)