【ワシントン時事】バイデン米大統領は23日、気候変動サミット(首脳会議)の閉幕に合わせて演説し、菅義偉首相が2030年度までに日本の温室効果ガスを13年度比46%減らすとの新目標を示したことについて、「野心的な目標」と評価した。安全保障面で対立するロシアのプーチン大統領が連携を呼び掛けた姿勢にも「励まされた」と異例の発言を行い、歓迎の意を示した。中国には言及しなかった。
気候危機対応、世界再始動 「先進国対途上国」構図も―サミット閉幕
バイデン氏は、サミットで気候変動対策の強化を表明した日本やカナダ、インド、ブラジルなど多くの国名を挙げ、「幾つか重要な進展があった」と指摘。その上で「公約を守る責任がある」と訴え、米国も含めて温室ガス削減の取り組みを着実に実行に移すべきだと強調した。
バイデン氏は、ロシアのプーチン大統領が大気中の二酸化炭素(CO2)を回収する技術をめぐり各国に協調を促したことについて、「米国はロシアや他の国々と一緒に取り組むことを楽しみにしている」と期待感を示した。一方、自国の緩やかな温室ガス削減目標を変更しない姿勢を示した中国については触れなかった。