プライベートエクイティ(PE、未公開株)投資会社の運用マネジャーにとって最も魅力的な税優遇措置が廃止に近づきつつある。

  バイデン米大統領が28日に公表する意欲的な社会保障拡充プログラムでは、財源確保の一環として議会に対し、PE投資会社の運用マネジャーが受け取る報酬への税優遇措置を廃止するよう求める。

  PE投資会社の運用マネジャーは給与の他に、運用資産の成績に応じて支払われる「キャリードインタレスト」と呼ばれる報酬が大きな意味を持つ。キャリードインタレストは場合によっては数百万ドルにもなるが、この報酬に課されるのはキャピタルゲイン税で、税率は通常の給与に対する所得税の最高税率を大きく下回る。

  議会では長年にわたり、キャリードインタレストへの税優遇措置の正当性を巡り賛成派と反対派による活発な議論が行われてきた。今回の提案を巡っても最終的な判断は議員らに委ねられることになる。バイデン氏の計画では、富裕層向けキャピタルゲイン税の最高税率引き上げだけでなく、キャリードインタレストへの税優遇措置の廃止も含まれる。

  ホワイトハウスは同計画の概要を記した文書で「キャリードインタレストへの税優遇廃止は重要な構造的変化で、全ての労働者を公平に扱う税法を確実に制定するという点で必要だ」と指摘。ファンドマネジャーが「自らの所得に対して、他の労働者と同様に通常の所得税を支払う」のを確実にすることが目的だと説明した。

原題:Biden’s Plan Would Eliminate Private Equity’s Coveted Tax Break(抜粋)