世界的な半導体不足の問題は悪化の一途をたどっている。テクノロジー大手の米アップルと韓国サムスン電子に加え、自動車メーカー3社も生産や業績への悪影響を明らかにした。

  ホンダは寄居など3工場の操業一時停止を発表。独BMWはドイツと英国の工場でシフトを削減。米フォード・モーターは通期の業績予想を引き下げた。同社は半導体不足が来年も続く可能性があるとみている。鉱業・建設機械メーカーの米キャタピラーは、エンドユーザーの需要を今年満たせない恐れがあると明らかにした。

キャタピラー、今年エンドユーザー需要満たせない恐れ-半導体不足で

  新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を背景に電話やラップトップ型パソコン、電子機器の需要が急増し、半導体不足の一因となった。需要増の恩恵を受けた企業が、今度はその半導体不足で厳しい状況に追い込まれている。好調な1-3月期(第2四半期)決算を発表したアップルでは、ルカ・マエストリ最高財務責任者(CFO)が供給面での制約によりタブレット端末「iPad(アイパッド)」とパソコン「Mac(マック)」の売り上げが落ち込んでいると警告。4-6月(第3四半期)に30億-40億ドル(約3270億-4360億円)の減収要因になるとの見方を示した。両製品ともロックダウン(都市封鎖)の間は特に販売が好調だった。

  一方で半導体の供給側では売上高が急増しており、生産能力の引き上げに多額の投資を行う方針を示している。スマートフォン向け半導体の生産で世界最大の米クアルコムは、一部市場で経済活動の正常化が進むにつれ携帯端末の需要が急速に増えつつあると説明した。

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原題:Global Chip Drought Hits Apple, BMW, Ford as Crisis Worsens (1)(抜粋)