スイスの銀行クレディ・スイス・グループは、ビル・フアン氏のファミリーオフィス、アルケゴス・キャピタル・マネジメントに高いレバレッジ(借り入れ)での株式取引を容認した一方で、最小限の担保しか要求しなかった。アルケゴスのポジション破綻を巡っては、クレディ・スイスの損失が他の金融機関を大きく上回った。
事情に詳しい関係者によれば、クレディ・スイスはアルケゴスに最大10倍のレバレッジを認めた一方、要求した担保は借り入れ全体のわずか10%だった。
レバレッジの中には他の金融機関の2倍に及ぶケースもあり、そうした戦略が損失を約55億ドル(約6000億円)に膨らませる一因となった。同業では野村ホールディングスが被った損失額が29億ドル、他にアルケゴスにプライムブローカレッジサービスを提供していたJPモルガン・チェースやドイツ銀行などでは損失はさらに少ないか、ゼロだった。
クレディ・スイスはコメントを控えた。クレディ・スイスがアルケゴスに容認していたレバレッジについては、金融リスク管理関連サイトのリスク・ドット・ネットが先に報じていた。
原題:Credit Suisse Gave Archegos Big Leverage for Little Collateral(抜粋)