米政府は新型コロナウイルスワクチンについて、知的財産権の保護を適用除外とする提案を支持する。米通商代表部(USTR)のタイ代表が5日、インタビューで明らかにした。富める国と貧しい国のワクチン格差が拡大する中、世界的な供給を増やす取り組みに米国も加わる。

  タイ氏は「世界貿易機関(WTO)での権利放棄に賛成であり、権利放棄の提案者が達成しようとしていること、つまりワクチンへのアクセス改善、製造能力の向上、接種の拡大に賛成だ」と述べた。

  タイ氏によると、バイデン政権は今後、権利放棄の文言を巡るWTOでの交渉に積極的に参加し、各国に支持を呼び掛ける方針。事情に詳しい関係者1人は、同氏からバイデン大統領には4日に説明が行われたと語った。

コロナワクチン関連の知的財産権、米政府が保護免除の提案支持を検討

  このニュースを受け、5日の米株市場では新型コロナウイルスを手掛ける製薬会社の株価が軒並み下落。モデルナ株は一時9.7%安と、過去2カ月で最大の下落幅となった。ファイザー株は一時2.6%安、ビオンテックの米国預託証券(ADR)は一時8.9%安。ノババックスの株価は一時11%を超える下げを記録した。

原題:U.S. to Back Waiver of Vaccine IP Protections at WTO, Tai Says(抜粋)