欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は6日、日本向けの新型コロナウイルスワクチンの輸出許可が計7204万回分に達したと発表した。直近の1週間足らずで約2千万回分増えた。輸出管理制度のもとで45カ国・地域に1億7800万回分の出荷を認めたうち、日本向けが全体の4割を占めている。
記者会見で、3日時点の実績として説明した。EUは、ワクチンの供給遅れが大きな問題になった1月末から、域内で生産されたワクチンの輸出を事前の報告に基づく許可制にしている。日本に次いで多いのが英国向けの1856万回分、カナダの向け1841万回分で、日本向けは両国の約4倍にあたる。
全体の輸出許可は4月27日時点から3千万回分増え、その3分の2が日本向けの輸出だった。
米製薬大手ファイザーがベルギーに工場を構えるなど、EUは世界的なワクチンの供給拠点になっている。当初は遅れが目立ったEU域内向けの供給も、ファイザーの増産効果もあって軌道に乗りつつある。(ブリュッセル=青田秀樹)