[ワシントン 10日 ロイター] – 米シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は10日、4月の米雇用統計で雇用の伸びが予想を大幅に下回ったことについて、新型コロナウイルス禍後の経済活動の再開が複雑であることを反映しているとし、「一過性」の公算が大きいとの見方を示した。

エバンズ総裁はCNBCに対し「単月の動きだと考えている。年内は雇用の伸びが力強い状態が続くとみている」と述べた。

その上で、失業手当の拡充で職探しに時間的な余裕が得られるため、雇用鈍化につながる可能性があると指摘。児童手当や学校の対面授業の停止などを巡る問題が大きく影響している恐れがあるとの見方を示した。

オンラインイベントでは、FRB当局者が金融政策の調整を検討する前にインフレ高進や賃金上昇、数カ月間で平均100万人の雇用増加継続を確認することを望んでいると指摘。「金融政策が活発な労働市場の妨げにならないようにしたい。緩和的な金融政策が引き続き適切であり、インフレ率がオーバーシュートする余地はある」と話した。