アメリカのバイデン大統領が駐日大使に、オバマ政権で大統領首席補佐官を務めたエマニュエル氏を指名する意向を固めたとイギリスの有力紙が伝えました。エマニュエル氏が就任すれば、影響力を増す中国を念頭に、日本との同盟関係の強化を担うことになります。
イギリスのフィナンシャル・タイムズは11日、複数の関係者の話として、バイデン大統領が駐日大使に、オバマ政権で大統領首席補佐官を務めたラーム・エマニュエル氏を指名する意向を固めたと伝えました。
エマニュエル氏は61歳。
民主党下院議員を経て、オバマ政権1期目の2009年から2010年にかけて大統領首席補佐官を務め、医療保険改革の議会対策を取りしきったことで知られています。
首席補佐官辞任後は、おととしまで出身地シカゴの市長を務めましたが、在任中は黒人の少年が白人の警察官に射殺された事件への対応をめぐって批判も受けました。
エマニュエル氏は、バイデン大統領とも近いとされ、運輸長官や中国大使の候補としても名前が挙がっていました。
駐日大使のポストは、ハガティ前大使がおととし7月、辞任したあと、空席が続いています。
バイデン政権は中国を「国際秩序に挑戦する力を持つ唯一の国」と位置づけ、同盟国と連携して対抗していく方針を示していて、エマニュエル氏は今後、大統領による指名を経て議会に承認されれば、駐日大使として日米同盟の強化を担うことになります。