薬局大手スギホールディングス会長夫妻に新型コロナワクチンの接種予約で便宜を図っていた愛知県西尾市は、同社から運動施設を貸与されるなど深い関係にあった。中村健市長は11日、度重なる連絡を受け「現場は通常の働き掛けというより、より強い『圧力』、プレッシャーと認識していた」と釈明した。

 夫妻は西尾市民の杉浦広一会長(70)と昭子相談役(67)。直接、健康課に連絡することで予約できるよう便宜が図られ、5月10日が夫妻の接種日として仮押さえされた。

 市長によると、同社側から「何とかならないか」と再三、問い合わせがあった。高齢者らの健康や福祉に関する連携協定も同社と結んでおり、特別対応を断りにくい状況だったとみられる。