[ワシントン 11日 ロイター] – 米労働省が11日に発表した3月の雇用動態調査(JOLTS)は、求人件数が前月比59万7000件増の812万3000件と、2000年12月の統計開始以降で最高を記録した。ただ、採用件数は求人件数ほど伸びず、労働者不足が雇用拡大の妨げになっていることが示された。
市場予想は750万件だった。
ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ソフィア・コロペッキィ氏は「新型コロナウイルスの規制が解除される中、多くのビジネスが再開しているものの、コロナ前の正常な状態に戻ろうとする企業の熱意とは裏腹に、多くの労働者は職場復帰をちゅうちょしており、雇用のミスマッチが起きているようだ」と指摘した。
エコノミストらは、失業給付の延長が失効を迎えるにつれ、企業が賃金を引き上げ、ワクチン接種が一段と進展すれば雇用のミスマッチは解消されると予想。ただし、原材料不足が雇用を妨げる恐れもあるという。
求人件数の内訳は、宿泊・飲食サービスが18万5000件増加。州・地方政府の教育分野で15万5000件増加した。芸術・娯楽・レクリエーションは8万1000人増加。製造業、貿易、運輸、公益、金融でも増加したが、医療や社会支援では減少した。
地域別では北東部と中西部が増加した。
3月の求人件数1件に対する失業者の割合は1.2人。コロナ前は0.82人だった。
求人率は2月の5.0%から5.3%に上昇した。
採用件数は600万件と前月の580万件から増加。州・地方政府の教育分野が増加したほか、教育サービス、鉱業、木材でも増加した。採用率は4.2%と2月の4.0%から上昇した。
レイオフ件数は150万件と前月の170万件から減少し過去最低となった。レイオフ率は1.0%と2月の1.2%から低下した。
自発的な離職件数は2月の340万件から350万件に増加。自発的な離職率は2.4%と変わらずだった。