[ニューヨーク 12日 ロイター] – ニューヨーク外為市場で は、4月の米消費者物価指数が予想より大きく上昇したことでドルが上 向いた。ただ上昇は抑制され、このところの範囲内にとどまっている。

 労働省発表の4月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、 総合指数が前年比4.2%上昇し、2008年9月以来、約12年半ぶ りの大幅な伸びを記録した。

 主要6通貨に対するドル指数は0.61%高の90.760 。CPIがこれほど上昇したのに対し、上げ幅は抑制されている。

 物価が上昇すれば連邦準備理事会(FRB)が利上げに動くとの連想から、物価上昇はドル高要因となる。ただ、パウエルFRB議長がイ ンフレ上昇を一定期間容認しながら金利を現行水準にとどめると確約し ていることで、この日のドルの上昇は抑制された。

 シュアブセンター・フォー・フィナンシャルリサーチのトレーディ ング・デリバティブ担当バイスプレジデント、ランディー・フレデリック氏は「大きな動きではなかった」とし、「ドルはパンデミック(世界 的大流行)開始後の昨年5月から基本的に軟調だった。この日の動きで 数週間前の水準に戻ったにすぎない」と述べた。

 フレデリック氏はCPI上昇について「パンデミックに起因するあらゆる異例の動き」が背景にあると指摘。TDセキュリティーズのシニ ア外為ストラテジスト、マゼン・イッサ氏は、経済活動の再開に伴う圧力が反映されているとし、「その性質からして一過性のものとなる」と 述べた。

 ただ、CPI統計を受け米利上げ観測は高まっており、市場が織り込む利上げ確率は、2022年12月が80%、23年3─6月が10 0%となっている。

  対ドルでユーロは0.60%安の1.208ドル、円JPY=D3は0.87%安の109.58円、英ポンドは0.60 %安の1.406ドル。

 暗号資産(仮想通貨)のイーサは4380.64ドルと 過去最高値を更新。その後は下落に転じ、2.72%安。

ドル/円 
 NY終値 109.65/109.68
   始値 108.67
   高値 109.70
   安値 108.67

ユーロ/ドル 
 NY終値 1.2069/1.2073
   始値 1.2124
   高値 1.2151
   安値 1.2066