資産家ジョージ・ソロス氏の投資会社は、アルケゴス・キャピタル・マネジメントのポジションが崩壊しバイアコムCBSやディスカバリー、百度(バイドゥ)の株式がブロック取引で大量に売却された際、これら銘柄を買い入れていた。
14日公表された当局への届け出によると、ソロス・ファンド・マネジメントが1-3月期に購入したのは1億9400万ドル(約212億円)相当のバイアコムCBS株と7700万ドル相当の百度株のほか、4600万ドル相当の唯品会(ビップショップ・ホールディングス)株と3400万ドル相当のテンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(騰訊音楽娯楽集団)株。事情に詳しい関係者1人によると、ソロス・ファンドはアルケゴスのポジション破綻前にはこれら銘柄を保有していなかった。
ビル・フアン氏のファミリーオフィスであるアルケゴスは3月下旬、レバレッジを効かせ米国や中国の株式銘柄に集中投資していたポジション破綻で急速に資産を失った。取引先金融機関はマージンコール(証拠金請求)を迫るとともに、これら銘柄をブロック取引で売却した。
アルケゴスのフアン氏がひそかに積み上げた巨額資産、数日で消失
四半期ごとの株式保有報告書「フォーム13F」によると、ソロス・ファンドは1-3月期にアマゾン・ドット・コムや住宅建設DRホートンの株式保有を増やした。同四半期に最も売却したのはビッグデータ解析を手掛ける米パランティア・テクノロジーズで、1850万株を約4億3500万ドル相当で手放した。
原題:Soros Bought Up Stocks Linked to Bill Hwang’s Archegos Implosion(抜粋)