イスラエル軍とパレスチナ暫定自治区のガザ地区を実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとの間の攻撃の応酬は17日も続き、これまでにガザ地区で212人が死亡し、イスラエルでは10人が死亡しました。
こうした中、アメリカのバイデン大統領は17日、イスラエルのネタニヤフ首相と電話で会談しました。
ホワイトハウスによりますとバイデン大統領は会談でイスラエルの自衛の権利を支持するとする一方、「イスラエルは罪のない市民が保護されるようあらゆる努力をすべきだ」と述べて、市民に多くの犠牲が出ていることに懸念を示したということです。
そしてエジプトなど地域の友好国と連携したアメリカの取り組みについて協議し、停戦を支持する立場を伝えたとしています。
またホワイトハウスで安全保障問題を担当するサリバン大統領補佐官も17日、イスラエルとエジプトの高官と電話会談し「アメリカは水面下での集中的な外交を行っている」とツイッターに投稿しました。
ホワイトハウスのサキ報道官はバイデン大統領や政府高官らが関係国などとこの1週間で合わせて60回以上電話会談したと明らかにし、停戦に向けた外交努力を加速させていると強調しています。国連の安全保障理事会はイスラエルとパレスチナの緊張の緩和に向けたメッセージを声明として発表することを目指していますが、イスラエル寄りのアメリカが三たび反対し、一致した対応をとれていません。
国連安保理は先週、2度にわたり会合を開き、議長国の中国からイスラエルとパレスチナ双方に緊張緩和を呼びかけるとともにイスラエルの占領政策に懸念を示す声明案が提示されましたが、アメリカは反対してきました。
複数のメンバー国によりますと、16日に開かれた3回目の会合では中国が各国の発言をもとにした声明案を提示しましたが、アメリカが改めて反対したということです。
アメリカは過去の双方の衝突の際にもイスラエルを擁護する姿勢を鮮明にして安保理での声明や決議の採択に反対してきた経緯があります。
安保理は18日に4回目の会合を開く方向で調整を進めていますが、アメリカは一致した立場を示す声明の発表には引き続き反対することが予想されます。