岸信夫防衛相は18日の記者会見で、自衛隊が運営する高齢者向け新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターに関し、架空情報を使っての予約を防止する目的で、システムの一部を改修すると明らかにした。東京都、大阪府全域に予約対象を広げる24日の完了を目指す。

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 現時点で、実在しない市区町村コードや65歳未満の生年月日などを入力しても予約が可能。防衛省はシステムの一部を改めて、市区町村コードや適正対象年齢を確認できるようにする方向で調整している。

 防衛省によると、接種券番号については市区町村の予約システムとのデータ連携ができていないため、架空情報での入力は引き続き可能だという。このため、架空予約を完全に防ぐ手だてはなく、利用者の善意に頼らざるを得ないのが現状だ。

 岸氏は自治体と連結しなかった理由に関して「接種対象となる全国民の個人情報を防衛省が把握することは適切ではないと考えた」と説明した。システムの大規模改修については「考えていない」と語った。

 加藤勝信官房長官は、架空予約が大量に行われた場合の対応を巡り「悪質なケースについては法的措置を取ることも排除していない」と述べた。

 岸氏は、取材目的で架空情報を使い予約した朝日新聞出版と毎日新聞社に対して「悪質な行為であり、極めて遺憾だ」と話した。防衛省は18日、抗議文を両社に郵送。朝日新聞出版は岸氏の発言について「現時点でコメントをする考えはありません」としている。毎日新聞は「確認作業は公益性が高いと判断した。予約はすぐに取り消した」とのコメントを出した。(共同)

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