[米大統領専用機上/ガザ/エルサレム/ニューヨーク 19日 ロイター] – バイデン米大統領がイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談し、激化しているパレスチナ自治区ガザでの戦闘を巡り、「緊張緩和が停戦への道筋」という考えを伝えたと、ホワイトハウスのジャンピエール副報道官が19日明らかにした。

バイデン、ネタニヤフ氏の電話会談は1週間で4回目。

ジャンピエール副報道官によると、両首脳はガザの情勢に加え、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスなどの戦闘能力低下に関する進捗状況、中東地域や米国などによる外交努力などを巡り「踏み込んだ討議を行った」という。

ネタニヤフ首相はその後発表した声明で「イスラエル国民への平穏と安全を回復するという目的が達成されるまで、(ハマスに対する)作戦を続行する決意だ」と表明した。

ハマスの報道官は、バイデン氏の緊張緩和に向けた呼び掛けに対し、「イスラエルによるエルサレムへの攻撃やガザへの空爆をやめさせる」必要があるとし、それが実現すれば「平穏を取り戻すための取り決めを巡り話し合いの余地が生まれる」と述べた。

エジプト治安筋によると、イスラエルとハマスは関係国の仲介を受け、停戦に向け大筋合意。しかし、詳細を巡る交渉が秘密裏に進められているという。

フランスは国連安全保障理事会に対し、紛争の停戦に関する決議案の採択を求めているが、米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は事態の収束にはつながらないとして支持しない考えを強調した。

パレスチナ当局によると、戦闘が始まった10日以降の死者は228人。イスラエル側の死者は12人となっている。