ニューヨーク市長選の民主党候補争いでリードしていた実業家アンドリュー・ヤン氏が、地元テレビ局による最新世論調査で支持率を6ポイント落としたことが分かりました。ベーシックインカムを掲げ、大統領選の民主党候補争いもしたヤン氏には勢いがありましたが、予備選を約2週間後に控えてまさかの失速。現在の首位は元警察官でブルックリン区長のエリック・アダムス氏です。背景には犯罪の急増があると言われており、市民の切実な思いが反映されているようです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

エーザイADR56%上昇

米食品医薬品局(FDA)は、米バイオジェンとエーザイが共同開発したアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」を承認した。アルツハイマー病の根本的な原因に作用する治療薬は、過去数十年間に多くの製薬会社が挑んだが成功例はなく、FDAの承認を得たのはアデュカヌマブが初めて。アデュカヌマブは病気の進行を遅らせる効果があると認められた。米国だけで600万人の患者がいる。発表を受けて、エーザイADR(米国預託証券)の終値は56%高、バイオジェン株は38%高で引けた。

アマゾン含めるよう知恵しぼる

国際課税改革を協議している世界の政策立案者は、米アマゾン・ドット・コムも新たな枠組みの対象に含める方向で話し合いを進めている。主要7カ国(G7)財務相は週末の会合で、グローバル企業の利益率10%を上回る部分の一部利益に他国で課税することへの支持を表明した。ただ、アマゾンの今年の世界全体での営業利益率は7.1%と推計される。検討中の課税ルールではアマゾン全体ではなく、より収益性の高い同社クラウドコンピューティング事業を狙った個別事業対象の基準値を設ける案が含まれる可能性がある。

「ドル箱」路線

英国と米国の航空会社は、両国間の渡航再開を求める共同声明を発表した。英米路線は世界で最も利益が見込めるルートであり、政府による渡航制限で経済再開が抑制されていると訴えた。航空会社は昨夏から大西洋路線の再開を求めているが、今回は英イングランドで開かれるG7サミットにバイデン米大統領が出席するのを数日後に控え、アピールを強めた格好。

5歳の時からの夢

アマゾンの最高経営責任者(CEO)で資産家のジェフ・ベゾス氏は、自ら創設した宇宙ベンチャー企業ブルーオリジンが7月に打ち上げる有人宇宙船「ニューシェパード」に搭乗すると明らかにした。ベゾス氏は弟のマークさんと共に宇宙飛行を計画しているとインスタグラムへの投稿で発表。打ち上げは7月20日に計画されており、ベゾス氏はその約2週間前にアマゾンCEOから退任する予定となっている。「5歳の時から宇宙旅行を夢見てきた」とベゾス氏は投稿した。

ウォルマート傘下企業が出資交渉

米ウォルマート傘下にあるインドの電子商取引企業フリップカートは、ソフトバンクグループや複数の政府系ファンドなどから少なくとも30億ドル(約3280億円)の資金を調達しようと交渉を進めている。事情に詳しい関係者が明らかにした。関係者によれば、フリップカートは約400億ドルの評価額を目指しており、シンガポール政府投資公社(GIC)やカナダ年金制度投資委員会(CPPIB)、アブダビ投資庁と交渉中。フリップカートの持ち株をウォルマートに売却したソフトバンクは、「ビジョン・ファンド2」を通じて3億-5億ドルを投資する可能性があると、関係者の1人が語った。

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