[7日 ロイター] – 米アップルは7日から開始した世界開発者会議(WWDC)で、州政府が発行した身分証明書(ID)をiPhoneにデジタル保存する機能を提供するほか、ストレージサービス「iCloud(アイクラウド)」や電子メールアプリにプライバシー保護機能を追加すると発表した。

IDカードをスキャンすれば、クレジットカードなどと同様にデジタルウォレットに保存される。米運輸保安局(TSA)と連携し、デジタル保存されたIDの空港での利用も進めているという。

また、有料ストレージサービスの名称を「iCloud+」に変更し、プライバシー機能を追加。アップルおよび広告主はユーザーの身元や閲覧履歴などを入手できなくなるほか、ユーザーがオンラインフォームに入力する際に電子メールアドレスを非表示にすることも可能になる。新機能が追加されたが、iCloudの料金は変更しない。

プライバシー関連では、電子メールアプリを更新し、電子メールが開かれたことを検知するトラッカーを使用した送信者をブロックすると発表。第三者のサービスアプリによるデータの送信先を追跡する新たな機能も追加するほか、音声アシスタント「Siri(シリ)」使用時にアップルのサーバーに接続する必要がなくなるとした。

通話アプリ「フェイスタイム」についても複数の参加者との通話スケジュールを決める機能や、基本ソフト(OS)「アンドロイド」および「ウィンドウズ」が搭載された端末との互換性も追加した。

ユーザーがパソコン「Mac(マック)」やノートパソコンからタブレット端末「iPad」などを操作できるようにするほか、ソフト宇ウエアを改良し、デバイス間の連携を容易にすると発表した。

アプリ開発業者向けには、開発業者がアプリ内でライブイベントを開催する機能を導入。イベントはアプリ配信システム「アップストア」でリアルタイムで紹介されるという。