ニューヨーク市がコロナ禍に伴う各種規制を緩和し始めたのは、ちょうど1年前の6月8日でした。感染の世界的なホットスポットと言われていた街が、徐々に経済活動を再開。途中に波はありましたが、今年に入ってからのワクチン普及で改善ペースが一気に加速しました。ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は人口の半分を超え、最近ではマスクをしていない人の姿も目立ちます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
日本への渡航警戒引き下げ
米国務省は日本への渡航警戒レベルを4段階の上から2番目であるレベル3「渡航を再検討」に引き下げた。従来はレベル4の「渡航を中止」だった。フランスやカナダ、ドイツを含む多数の国・地域についても同時にレベル3に緩和した。一部の国・地域で新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が収束に向かう中、今回の措置は国際線の利用制限緩和につながる可能性がある。
長年の対立終わるか
欧州連合(EU)指導者らとバイデン米大統領は、15日にブリュッセルで開催される首脳会談で、年内に鉄鋼・アルミニウム関税を撤廃して貿易を巡る対立を解消させる方針を表明する。ブルームバーグ・ニュースが確認した最終的な取りまとめの草案で明らかになった。草案によれば、EUと米国は20年近くにわたって続く航空機紛争の解決についても来月に合意する見通しだ。
起源の再調査支持
米国とEUはまた、新型コロナウイルスの起源に関して相反する見方が出ていることを受けて、発生源を調査する新たな取り組みを支持する。ブルームバーグ・ニュースが声明の草案を確認した。「COVID19の起源について透明性があり、証拠に基づいた、世界保健機関(WHO)主導の専門家中心による第2弾調査を干渉を受けずに進めることを求める」としており、首脳会談での声明採択を望んでいる。
過去最高の求人件数
米求人件数と自発的離職者数は4月に、2000年の統計開始後の最高に達した。コロナ関連の制限が緩和されて経済が勢いを増す中、人材確保や転職の動きが強まっていることが浮き彫りになった。求人件数は930万件に増加。市場予想は820万件。前月は830万件(速報値812万件)に上方修正された。コロナ禍で最も打撃が大きかった宿泊・食品サービスでは、求人が34万9000件増加。過去最大の伸びで、4月の増加分の35%を占めた。同業界で雇用された労働者は23万2000人増加した。
今度はこの銘柄
米医療保険会社クローバー・ヘルスの株価が、8日の米株式市場で前日に続く急騰を演じた。背景には、空売りを仕掛ける機関投資家を敵視する個人投資家の買いがあるとみられる。クローバー株はこの日、一時109%高まで上昇した。突然の上昇は、クローバー株に対する空売りが膨らんでいるのに個人投資家が気づいたタイミングと重なっている。オンライン掲示板レディットの人気フォーラム「WallStreetBets」では今週に入り、クローバー株のショートスクイーズ(踏み上げ)の可能性が話題になっていた。
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