米金融当局が昨年公表した「金融政策の新たな枠組みは、インフレの上方向へのリスクに対処するようには設計されていない」-。連邦準備制度理事会(FRB)副議長を務めたドナルド・コーン氏は今週、金融当局がインフレ高進を抑えるために、慌ててしかも大幅に政策金利を引き上げざるを得なくなるリスクを指摘しました。10日に発表される米消費者物価指数は前年比4.7%上昇の予想で、前月(4.2%上昇)よりも伸びが一段と加速すると見込まれています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
TikTok禁止令を撤回
バイデン米大統領は中国企業が運営するアプリ「TikTok(ティックトック)」と「微信(ウィーチャット)」に対するトランプ前政権時代の禁止令を取り消す。複数の政権高官が明らかにした。代わりに、米国人の重要データに危険を及ぼす恐れのある外国製アプリを精査するという。バイデン氏は大統領令を通じ、各アプリの精査およびセキュリティー上のリスクがあるアプリのブロックをレモンド商務長官に指示。同大統領令は、特に中国企業を標的にしたトランプ前大統領による一連の措置に取って代わるものになる。
仲間入り
9日の米株式市場で、「ミーム銘柄」を巡る熱狂の対象に新たに仲間入りした銘柄が急伸。個人投資家の新たなお気に入りとなっている。ディスカウント小売りサイトのウィッシュ・ドット・コムを運営するコンテキストロジックは一時29%、医療保険のクローバー・ヘルス・インベストメンツは一時30%それぞれ上昇。結局は下げて引けた。オンライン掲示板「レディット」の書き込みに呼応する個人投資家がプロの空売り投資家に対抗する格好となっており、熱狂が冷める兆しは見られない。
米株取引ルール見直し指示
米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は、米株式市場での取引に関わる規則の広範な見直しを求めた。いわゆる「最良執行義務」など株式取引に関連した課題を精査するようSECのスタッフに指示したと明らかにした。ゲンスラー氏は名指ししなかったが、シタデル・セキュリティーズやバーチュ・ファイナンシャルなどのマーケットメーカー(値付け業者)を標的としたコメントを発した。
人材流出に対応
クレディ・スイス・グループは、一部のシニアバンカーに引き留めボーナスを支給する。アルケゴス・キャピタル・マネジメントのポジション崩壊を含む最近の不祥事で株式ベース報酬の価値が下がり、人材流出につながっていることに対処する。事情に詳しい関係者によると、同行は投資銀行部門の一部マネジングディレクターやその他のシニアスタッフに引き留めボーナスを支払う。クレディ・スイスは今年、グリーンシル・キャピタルの問題などにも見舞われ金融危機以来の逆風に直面。競合他社は同行を優秀な人材の草刈り場と見なしていると、事情に詳しい関係者らがここ数週間に述べた。
高級腕時計のベルトが物語る
先週末に約1カ月ぶりに姿を見せた北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記は、間違いなくほっそりしたように見えた。それをはっきりと示したのは、同氏が着用していたスイス製腕時計かもしれない。北朝鮮専門メディアNKニュースの分析によると、北朝鮮国営メディアが公表した最新の写真では腕時計のベルトの余りが長くなっていた。腕時計はスイスの高級時計メーカー、IWCシャフハウゼン製で価格は1万2000ドル(約130万円)。金氏(37)は常に身に着けていることから、NKニュースは過去数カ月の写真に写るベルトの余り部分と比較し、同氏が痩せたとの見方を裏付けた。
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