[ロンドン 9日 ロイター] – 英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルのバンブルーデン最高経営責任者(CEO)は9日、先月のオランダ裁判所による判決を受け、エネルギー移行戦略を加速し、温室効果ガスの排出量を一段と削減する方法を模索すると表明した。石油・ガス事業の大幅な縮小につながる可能性が高いとみられる。
オランダ・ハーグの裁判所は5月26日、シェルの現行の温暖化ガス削減目標は十分でないとし、2030年までに19年比で45%削減するよう命じる判決を言い渡した。シェルは上訴する意向を示している。
ただ、バンブルーデンCEOは、この判決は直ちに適用され、上訴前に差し止めることはできないと指摘。「シェルにとって、今回の判決は変更ではなく、むしろ戦略加速を意味する」と述べた。
シェルが今年発表した気候変動に関する戦略はエネルギー業界で最も野心的な部類に入る。温暖化ガス排出量を原単位(生産量当たり)で2023年までに16年比6%以上、30年までに同20%以上、35年までに45%以上、50年までに100%削減する目標を掲げた。
バンブルーデンCEOは「今後は、目標と収益性を維持しながら、排出量をさらに削減する方法を模索していく。今後数年間にわたり、大胆かつ慎重な措置を講じることになるだろう」とした。