米国経済の回復に伴い高まるインフレ圧力は一時的どころではないと予想するファンドマネジャーがまた1人現れた。
バハマを拠点とするヘッジファンド、ウィンクレスト・キャピタル創業者で最高投資責任者のバーバラアン・バーナード氏は、資産格差の是正やクリーンエネルギー促進などバイデン政権が掲げる政策の多くが構造的なインフレ押し上げに寄与すると指摘した。
米金融当局者はこれと反対の見解で、15日から始まる連邦公開市場委員会(FOMC)を前に最近のインフレ率上昇は長続きしないと強調していた。バーナード氏やポール・チューダー・ジョーンズ氏ら運用者の見方が正しいとなれば、金融当局者は超緩和的な金融政策の正常化を前倒しで始めざるを得なくなる可能性がある。
「インフレが一時的だなどという考えは、ナンセンスだ」とバーナード氏はインタビューで語った。
バーナード氏によると、バイデン政権は富の分配に注力しており、一部の州で最低賃金が引き上げられれば多くの人の所得が増え、物価圧力を押し上げる。炭素税や、環境・社会・ガバナンスのイニシアチブ強化も企業のコスト増加につながる。
「これら全てに加え、サプライチェーンの変化もインフレを誘発する」と同氏は述べた。
こうした背景を活用し、同氏はコモディティーの上昇を見込むポジションを取っている。ニッケルと銅を特に選好しているという。世界経済の回復を巡る楽観でコモディティー価格が全般的に上昇する中で、銅は先月に過去最高値を付けた。
原題:ransitory Inflation Idea Is ‘Nonsense,’ Says Wincrest’s Bernard(抜粋)