[ニューヨーク 16日 ロイター] – 米連邦準備理事会(FRB)は15─16日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で、現時点では支援的な政策を維持すると確約しながらも、新型コロナウイルス感染拡大状況が改善しているとの認識を示し、コロナ禍による危機が経済の重しになっているとの文言を声明から削除した。米連邦準備理事会は15─16日に開いた連邦公開市場委員会で、現時点では支援的な政策を維持すると確約しながらも、新
市場関係者のコメントは以下の通り。
●ドットプロットが債券市場のタカ派サプライズに<マニュライフ・アセット・マネジメントのグローバルチーフエコノミスト、フランシス・ドナルド氏>当局者の金利見通しを示す「ドットプロット」では、2023年までに2回の利上げが示された。これは債券市場にとって十分タカ派的なサプライズであり、注目を集めている。
興味深いのは米連邦準備理事会(FRB)が最初の利上げ時期を前倒しした一方、22年と23年の成長率とインフレ率の見通しを大きく変更していないことだ。このことは、見通しが劇的に変わったわけではないものの、正常な環境に回帰する中でのFRBの自信の現れを示唆している。
声明文については重要な変更はなく、いくつかの調整が行われたのみだった。
●よりタカ派スタンスにシフト<ケンブリッジ・グローバル・ペイメンツのグローバル製品・市場戦略部門ディレクター、カール・シャモッタ氏>「テーパータントラム」(緩和縮小を巡る市場の混乱)は起こっていないようだが、外為市場には影響が見られる。FRBは今回の一連の見通しで、単にインフレ高進や米経済の勢いを認めるだけでなく、本質的には一段とタカ派スタンスにシフトしたと言えよう。
●予想ほど積極姿勢示さず、市場先走り<みずほ証券USA(ニューヨーク)の米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・リッチウト氏>多くの人は米連邦準備理事会(FRB)がより積極的な姿勢を示すことを望んでいた。そして、FRBは最も積極的でない姿勢を示した。これがFRBとして正しい決定だったと考えている。
FRBがより積極姿勢を示し、テーパリング(量的緩和の縮小)開始を示していたら、利回りは引き続き低下しただろう。こうした展開にならなかったことは、人々はむしろ過度に積極的だったことを示している。