東芝筆頭株主のエフィッシモ・キャピタル・マネジメントは17日、株主総会が「公正に運営されていたものとは思えない」との指摘を盛り込んだ調査報告書を同ファンド選任の弁護士が10日に発表したことを受け、株式会社制度の根幹を揺るがしかねない問題が生じていたことに「強い危機感」を持つとの声明文を発表した。
エフィッシモは電子メールで送付した声明文で、東芝経営陣は今後コーポレートガバナンス(企業統治)を根本的に改善し、株主に対する説明責任や結果責任を果たしていくべきだと指摘。
責任ある機関投資家としての規範を定めたスチュワードシップ・コードの責任を果たすため、中長期的な企業価値向上に貢献できるようガバナンスとコンプライアンス(内部統制)の改善に向けて、東芝経営陣との建設的な対話を継続する考えを示した。
さらに、同社が監査委員会3人のうち2人だけの解任にとどめたことは、取締役会の責任を追及する意思がないことを示していると訴え、東芝のガバナンスとコンプライアンス上の問題点をさらに増長させるものでしかないと強調した。
東芝は13日、調査報告書の指摘を真摯(しんし)に受け止めるとし、監査委員会の委員長を務める太田順司氏と同委員の山内卓氏を、25日の定時株主総会で諮る取締役選任案から外し退任させる計画を発表していた。
東芝、臨時株主総会で新たな取締役選任へ-25日の定時総会後に (1)
国内では2014年に策定されたスチュワードシップ・コードで機関投資家は、顧客の利益を守るために投資先企業の経営を監視し企業価値を向上させることが求められている。