[21日 ロイター] – 2種類の抗体カクテルを使用する併用療法が幅広い新型コロナウイルス変異株に対して有効であることが動物実験で示されたと、ワシントン大学医学部が21日発表した。

最新の動物実験では、世界保健機関(WHO)によって「懸念される変異ウイルス(VOC)」に指定されている英国で見つかった変異株「アルファ」南アフリカで見つかった「ベータ」ブラジルで見つかった「ガンマ」のほか、インドで見つかった「デルタ」に類似した新たな変異株などに感染したマウスやハムスターに対し、2種類の抗体カクテルを組み合わせた治療を実施したところ、片方の抗体のウイルス中和能力の一部または全部が失われた場合でも変異株に対する効果が持続したという。

実験では、米リジェネロン・ファーマシューティカルズ製および米イーライリリー製治療薬の併用療法や米ウィル・バイオテクノロジーと英グラクソ・スミスクライン(GSK)が開発した抗体医薬品「ソトロビマブ」の単独療法、米アッヴィ、ウィル、英アストラゼネカが現在臨床試験を行っている抗体などについて評価した。

研究者のヤッコ・ボーン氏は「一部の単独療法では耐性が生じたが、併用療法では生じなかった」と述べた。