ソフトバンクグループが出資する米ピア・セラピューティクスが、特別買収目的会社(SPAC)を通じた上場を計画している。同社は「デジタル薬」と呼ばれる治療用アプリケーションを開発するスタートアップ企業。

  ピア社の22日夜の発表によれば、同社は米ナスダック上場のSPAC企業と合併する。企業価値は約16億ドル(約1800億円)で、2021年下期中にも統合完了の見通し。

  ボストンを拠点とするピア社はアルコール依存症など物質使用障害や、薬物などの乱用に伴う精神疾患である統合失調症の治療を目的としたアプリを開発している。ソフトバンクGのビジョン・ファンド2号は20年12月、ピア社による8000万ドルの資金調達を主導した。

  ソフトバンクGの孫正義社長はビジョン・ファンドを通じてAI(人工知能)やテクノロジーに特化するスタートアップへの投資を拡大している。企業の買収や合併を目的としたブランクチェックカンパニーと呼ばれるSPACを利用した上場も出口戦略の一つになりつつある。

  同社が出資する東南アジアの配車サービス大手グラブ・ホールディングスも年内にSPACを通じて上場する計画で、シェアオフィスの米ウィーワークも同様の手法で上場する提案を受けている。