[ニューヨーク 22日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が議会証言で、インフレ懸念のみに基づいた性急な利上げは実施しないと改めて確約したことを受け、ドル相場は抑制された。
パウエル議長はコロナウイルス危機に関する下院特別小委員会の公聴会で行った証言で、「インフレを巡る懸念を理由に、性急な利上げは行わない。実際のインフレ、もしくは他の不均衡の証拠が出てくるのを待つ」と表明。このところの物価上昇は、経済活動の再開に「直接影響を受けた」部門に起因しており、利上げを必要とする「経済のタイト化を示すものではない」と述べた。
FRBが前週の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ時期の見通しを2024年から23年に前倒したことを受け、ドルは急上昇していた。
DRWトレーディング(シカゴ)の市場ストラテジスト、ルー・ブライエン氏は「パウエル議長は時期について何も踏み込んだ発言はしなかった。同時に一段と切迫していることも示さなかった」と述べた。
主要6通貨に対するドル指数は0.20%安の91.733。ユーロは対ドルで0.19%高の1.1940ドル。ドルは対円で0.28%高の110.65円。
マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)のアソシエート・ポートフォリオ・マネジャー、チャック・トメス氏は、「経済活動の再開を受け、インフレ圧力は予想より若干増大しているが、FRBはこの大部分は一過性のものとの見方を変えていない」と述べた。
暗号資産(仮想通貨)ではビットコインが一時3万ドルを割り込んだものの、その後は回復。終盤の取引で2.95%高の3万2599ドル。
ドル/円
NY終値 110.64/110.67
始値 110.45
高値 110.79
安値 110.45
ユーロ/ドル
NY終値 1.1938/1.1942
始値 1.1891
高値 1.1952
安値 1.1883